- 頑張りすぎない介護の知識
- 高齢者向けの施設について(老人ホーム等)
- グループホームとは?入居条件や費用、後悔しない選び方を解説
グループホームとは?入居条件や費用、後悔しない選び方を解説
「親の認知症が進んできて、ひとり暮らしは心配…」「家庭的な雰囲気の中で、穏やかに生活してほしい」
そんなふうに、ご家族の暮らしや今後の介護について悩んでいませんか?
認知症の方が、少人数の家庭的な雰囲気の中、安心して生活できるのが「グループホーム」です。介護スタッフの見守りやサポートを受けながら、無理のない範囲で家事を手伝ったり、地域の人たちと交流したりして過ごせます。
住み慣れた場所で暮らせるのが魅力ですが、医療的ケアや重度の要介護状態には対応が難しいこともあるため、施設の特徴をよく理解しておくことが大切です。
この記事では、グループホームの特徴や費用の目安、他の施設との違い、見学時のポイントまでを分かりやすく解説しています。大切なご家族に合った施設選びのために、ぜひ最後までご覧ください。
グループホームの基本的な特徴と入居条件
ここでは、グループホームの特徴や入居条件について詳しく解説します。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは
グループホームとは、認知症のある高齢者が、スタッフのサポートを受けながら少人数で共同生活を送る介護施設です。正式には「認知症対応型共同生活介護」と呼ばれ、介護保険制度の地域密着型サービスとして位置づけられています。
家庭に近い環境のなかで、ご自分の「できること」を大切にしながら、役割を持って暮らしていける点が大きな強みです。スタッフは24時間体制で見守りや介護を行い、認知症の方の心身状態に応じた支援を提供します。
※認知症について、さらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
→「 認知症とはどんな病気?原因・症状から必要なケアや予防法についても解説 」
入居対象者と住民票の条件
グループホームを利用できるのは、原則として以下の条件を満たす方です。
- 65歳以上の高齢者(40歳以上で特定疾病がある場合も可能)
- 要支援2または要介護1〜5の認定を受けている方
- 医師によって認知症と診断されている方
- 施設のある市区町村に住民票を持つ方
グループホームは地域密着型サービスであるため、施設のある市区町村の住民しか利用できない点には注意が必要です。
※介護保険の申請について、さらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
→「 初めての介護保険申請ガイド:手続きから利用開始までの流れ 」
最大9名のアットホームな環境
グループホームは、1ユニット最大9名の少人数制で運営されています。食事や洗濯などの家事を、できる範囲でスタッフと一緒に行いながら、家庭的な雰囲気の中で生活を送れるのが特徴です。
「できることは、なるべく自分で」「みんなが支え合う」という方針のもと、入居者様が家事や日常生活に関わりながら暮らします。役割を持つことで、自立心を保ち、認知症の進行緩和につながることが期待されています。
グループホームで受けられるサービス内容
グループホームでは、認知症の方が安心して過ごせるようなケアや交流活動も行われています。ここでは、入居者様が実際に受けられる主なサービスを紹介します。
生活支援と身体介護
食事・排せつ・入浴などの身体介助
ご本人の状態に応じて、食事介助や排せつ、入浴時のサポートが受けられます。入浴は、週2回が基本です。転倒やヒートショックなどに配慮しながら実施されます。
食事についても、栄養バランスに配慮されたものが提供され、必要に応じて刻み食やミキサー食にも対応しています。
掃除・洗濯などの生活支援
掃除や洗濯などの家事についても、スタッフがサポートします。一方で、グループホームで大切にしているのは「無理のない範囲で参加してもらう」ことです。
たとえば、洗濯物をたたむ、テーブルを拭くなど、日常的な動作を続けることで、生活リズムや自立心を保つことにもつながっています。もちろん、体調が悪い日や、負担を感じる場合には、無理に行う必要はありません。
認知症ケア
グループホームは、認知症の方への対応に特化した施設です。日常生活の中でも、認知症の症状に配慮したケアが行われます。
たとえば「怒りっぽくなる」「場所や人が分からなくなる」などの症状に対して、スタッフが声かけの工夫をしたり、安心感を持てる環境を整えたりして、不安や混乱をやわらげます。また、少人数のスタッフが関わるため、「なじみの関係」を築きやすいのも魅力です。
機能訓練や生活リハビリ
グループホームでは、日常生活そのものが「生活リハビリ」として機能するように工夫されています。リハビリ職の配置は義務付けられていませんが、スタッフの支援のもとで、体を動かす機会が日常的に取り入れられています。
たとえば、以下のような場面が生活リハビリです。
- テーブル拭きや布巾しぼりなどの軽作業
- 看護師や介護職が提供する体操やストレッチ
- 天気の良い日は近くを散歩するなど
他にも「お茶をいれてもらう」「洗濯物を一緒に干す」などの作業が、機能訓練を兼ねた生活リハビリとして取り入れられています。
レクリエーションや地域交流
グループホームは、地域密着型サービスとして運営されており、地域の方々とのつながりを大切にしているのも強みです。日々の生活に楽しみを取り入れ、地域との交流も積極的に行われています。
具体的には、以下のような活動が行われています。
- 季節行事やレクリエーション
- 近隣の老人会との交流会や、保育園・幼稚園児とのふれあい
- 外出支援(散歩や外食など)
以上のような取り組みを通じ、入居者の方は、地域とのつながりを感じて生活できます。
グループホームの1日のスケジュール
グループホームでは「家庭のような暮らしを続ける」ことが重視されます。スケジュールに沿いながらも、入居者一人ひとりのペースに配慮されています。
基本的な1日の流れは、以下のとおりです。
| 間帯 | 内容 |
|---|---|
| 6:00〜7:00 | 起床・洗面・整容支援 |
| 7:30〜8:30 | 朝食・服薬・口腔ケア |
| 9:00〜11:30 | 掃除・洗濯・体操・散歩など |
| 12:00〜13:00 | 昼食・休憩 |
| 14:00〜15:30 | レクリエーション・入浴・おやつ |
| 16:00〜17:30 | 個別活動(ぬり絵・編み物・談話など) |
| 18:00〜19:00 | 夕食・服薬・口腔ケア |
| 20:00〜 | 就寝準備・消灯 |
※施設によって、多少の違いはあります。
入居者様は「できることを無理のない範囲で行う」ことを大切にしながら、体操や家事などに参加しています。
グループホームの費用目安と内訳
費用の内訳は、入居時のみ必要な「初期費用」と、毎月かかる「月額費用」です。ここでは一般的な費用の目安をご紹介します。
初期費用(入居一時金・敷金など)
入居時にかかる一時金は、0円〜100万円程度と施設によって大きな差があります。最近では初期費用を抑えた施設も増えていますが、月額費用がやや高めに設定されているケースもあるため、入居時と月々の負担をあわせてトータルで比較することが大切です。
月額費用の内訳と相場
月々にかかる費用は、15万円〜20万円前後が一般的な目安です。以下に、主な内訳を紹介します。
- 部屋代
- 食費
- 水道光熱費・管理費
- 介護サービス費(自己負担分)
- 日用品・おむつ代など
※上記はあくまで参考目安であり、実際の費用は施設や介護度などによって異なります。
【参考】厚生労働省「 認知症高齢者グループホーム 」、国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター「 グループホームは施設によって値段が違うのでしょうか? 」
グループホームのメリット・デメリット
グループホームは、認知症ケアに特化した少人数制の施設です。アットホームな雰囲気で暮らせる一方で、注意すべき点もあります。ここでは、グループホームのメリットとデメリットを紹介いたします。
メリット
手厚いケアを受けられる
1ユニット最大9名の少人数制で運営されているため、比較的手厚いケアを受けられます。入居者様の性格や生活歴を踏まえ、認知症の症状に応じた柔軟なサポートを受けることが可能です。
また、固定スタッフが継続して関わることが多いため、顔なじみの関係を築きやすく、穏やかに生活することが期待できます。
アットホームな環境
グループホームでは、顔なじみの関係を築きやすく、家庭的で落ち着いた雰囲気の中で生活できるのが大きな特徴です。リビングでの団らんや、入居者同士の自然な交流が日常的にあり、人とのつながりを感じられる環境が整えられています。
また、食事や洗濯など、入居者ができる範囲で家事に関わる機会も大切にされています。認知症の方は孤独や不安を抱えやすいため、日常の関わりや役割が、精神的な安定や安心感につながることが期待できるのです。
住み慣れた地域とのつながりを維持できる
グループホームは「地域密着型サービス」のため、原則として施設のある市区町村にお住まいの方が利用します。入居者は、住み慣れた地域で暮らし続けられるため、安心感を持って生活できるのが、大きなメリットです。
施設によっては、近隣の保育園や地域ボランティアとの交流、町内会の行事への参加など、地域とのつながりを保つ取り組みも積極的に行われています。
デメリット
医療ケアに限界がある
グループホームでは、看護師が常駐していないことが多いです。よって、急な体調変化時の対応や、病状の進行を見越したサポートには限界があります。
インスリン注射や胃ろうなどの医療処置が必要な状態になると、外部の医療機関に頼る必要があります。入居時には、どの程度の医療行為に対応してもらえるかを確認しておきましょう。
要介護度が上がると退去の可能性も
グループホームは、基本的に「日常生活の中で自立支援を行う」ことを目的としており、要介護度が重くなると対応が難しくなるケースがあります。特に、ベッドで過ごす時間が多くなってきたり、常時介助が必要な状態になったりすると、転居を勧める施設もあるのが現状です。
入居前に「どこまで対応してもらえるか」「最期までいられるか」を確認しておくことが大切です。
施設の空きが少なく入居待ちになることも
グループホームは、ユニットの定員が最大9名と決められており、施設全体の規模も比較的小さいです。そのため、地域によっては常に満室状態で、入居まで数か月〜1年以上待つケースも少なくありません。
「すぐに入居したい」場合は、複数の施設に問い合わせをするなど、他の施設種別との併用も視野に入れておくと安心です。
※認知症に強い介護施設について、さらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
→「 認知症に強い介護施設の選び方!入居できる施設の種類や条件を解説 」
他の介護施設との違い(有料・特養・サ高住と比較)
ここでは、グループホームと他施設の違いを表で比較しています。
| 項目 | グループホーム | 介護付き有料老人ホーム | 特別養護老人ホーム(特養) | サ高住
|
|---|---|---|---|---|
| 主な対象者 | 認知症の高齢者(要支援2〜) | 原則として要介護1〜5の方 | 原則要介護3以上 | 自立〜軽度の要介護 |
| 医療体制 | 限定的(看護師常駐は少ない) | 看護師配置あり(24時間対応あり) | 看護師日中常駐 | 原則なし(外部サービス) |
| ケア内容 | 認知症に特化 | 生活全般の介護+医療連携 | 生活支援+介護 | 生活支援中心、介護は外部提供 |
| 人数規模 | 少人数(1ユニット最大9人) | 中〜大規模(個室中心) | 大規模(4人部屋も多い) | 個室 |
| 居住制限 | 同一市区町村に住民票が必要 | 制限なし | 制限なし | 制限なし |
| 入居待ち | 多い(定員が少ない) | 空きがあれば即入居可 | 非常に多い(長期待機) | 空きがあれば即入居可 |
| 費用の目安 | 月15〜20万円前後 | 月11万円以上(価格帯が広い) | 月5〜15万円前後 | 月5〜14万円前後 |
入居条件や費用は、施設や地域によって異なります。施設のホームページやパンフレットなどで、事前に確認しましょう。
※介護施設の種類について、さらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
→「 一覧表ですぐに分かる!介護施設の種類と特徴について解説 」
グループホームの選び方と見学時のチェックポイント
グループホームは施設によって、雰囲気や対応、方針に違いがあります。ここでは、後悔しない施設選びのために確認しておきたいポイントを紹介します。
スタッフの対応や入居者様の様子
まず見学時に注目したいのは、スタッフの対応や入居者の表情です。職員がどのように声をかけているか、入居者とどんな距離感で接しているかを見ることで、施設の雰囲気やケアの質を感じとれます。
また、入居者の表情が穏やかかどうか、施設の清潔感が保たれているかなど、実際の暮らしぶりにも注目しましょう。「大切な家族を預けられるか?」という視点で見てみるとよいでしょう。
認知症ケアの具体的な取り組み
施設が「どのような方針で認知症ケアに取り組んでいるか」も重要なチェックポイントです。
たとえば、以下のようなことを確認するとよいでしょう。
- ご本人の希望や生活歴をどのようにケアへ反映しているか
- 認知症状への対応方法
- スタッフへの認知症研修の実施状況
以上の内容を確認することで、専門的な視点で対応している施設かどうかを判断できます。事前にパンフレットやホームページを見て質問を準備しておくのもおすすめです。
地域密着型としての行事など
グループホームは、地域密着型サービスとして運営されています。地域とのつながりを、どのように大切にしているかも、見学時に確認しておきましょう。
たとえば、地域の保育園や老人会と交流する行事が定期的に行われていたり、地元のお祭りや季節のイベントに参加していたりする施設もあります。また、家族を交えた行事を積極的に開催しているグループホームも多いです。
入居者様が、これまでの生活を継続するために、地域交流をどの程度行っているかを確認しておきましょう。
まとめ:グループホームは認知症の方が安心して暮らせる場所
この記事では、グループホームの特徴や入居条件、見学時のチェックポイントを解説しました。
グループホームは、認知症の方が家庭的な雰囲気の中、自分らしく暮らすことを目的とした施設です。地域とのつながりを大切にしながら、認知症ケアを受けられます。
以下は、この記事のポイントです。
- 認知症の診断があり、要支援2以上の方が対象です。
- 最大9名のユニット制で、顔なじみの関係を築けます。
- 家事やレクリエーションを通じて、生活リハビリを行います。
- 医療的ケアや重度介護には限界があるため、事前確認が必要です。
- 入居費用は月額15〜20万円が相場。初期費用の有無も確認しましょう。
グループホームは「見守りを受けながら、穏やかに暮らしたい」「自分でできることは、できる範囲でしたい」という思いを大切にしたい方に向いている施設です。
医療体制や費用は、施設ごとに異なります。事前にホームページやパンフレットで確認しましょう。また、施設の雰囲気を感じるために、実際に見学されることをお勧めします。
この記事を参考に、グループホームへの理解を深めていただけると幸いです。
関連記事
サニーライフ・やわらぎ苑への
お問い合わせはこちら
- 頑張りすぎない介護の知識
- 高齢者向けの施設について(老人ホーム等)
- グループホームとは?入居条件や費用、後悔しない選び方を解説