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介護負担を減らすために!デイサービスの役割や選び方を解説
「親の介護負担を、少しでも軽くしたい」「日中、親が安心して過ごせる場所はないかしら…」
そんな風に、ひとりで悩みを抱えていませんか?
デイサービス(通所介護)は、在宅介護を支える介護サービスの一つです。言葉は耳にしたことがあっても、いざ利用を考え始めると「どんなサービス内容なのだろう?」「うちの親は対象になる?」など、意外と知らないことが多いものです。
この記事では、デイサービスの役割やメリット、そして気になる費用や選び方のポイントを分かりやすく解説しています。ご本人やご家族が、より穏やかに生活するために、ぜひ最後までお読みください。
デイサービスとは?目的と役割
ここでは、デイサービスの目的や役割、メリットについて解説いたします。
デイサービスの基本的な特徴
デイサービスとは、要介護または要支援の認定を受けた方が、日帰りで施設に通い、さまざまなサポートを受けられる介護保険サービスのことです。
施設によって細かな違いはありますが、一般的には次のようなサービスが受けられます。
- 健康チェック
- 食事(必要に応じて介助)
- 入浴介助
- 排せつや移動の介助
- 体操や機能訓練のサポート
- 脳トレ、レクリエーションへの参加支援
デイサービスでは、機能訓練や交流を通じて、心身の健康を維持し、生活にリズムと楽しみをもたらしてくれます。また、人との関わりが増えることで、認知症予防や気分のリフレッシュが期待できます。
ご家族にとってのメリットとは?
デイサービスは、ご本人だけでなく、ご家族にとっても、多くのメリットがあります。
介護負担を軽減できる(レスパイトケア)
デイサービスを利用することで、ご家族は一時的に介護から離れ、自分の時間を確保できます。その間に家事や仕事に集中したり、体を休めたりして、身体的・精神的な負担を軽減できるのです。
このように、介護者が一時的にケアを離れてリフレッシュする支援は「レスパイトケア(介護者の休息)」と呼ばれ、ご家族の健康を守る重要な仕組みとされています。
相談相手ができる
デイサービスには、介護の専門知識と豊富な経験を持つスタッフが常駐しています。そのため、日頃の介護に関する不安や悩みを専門家へ気軽に相談することが可能です。
また、スタッフがご本人の様子を見守り、体調や気分の小さな変化にも気づいてもらえるため、ご家族も安心です。
誰にどんなことを相談すべきかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
→「 誰にどんなことを相談すべき?介護のプロフェッショナル集団について知ろう 」
自分の時間や人とのつながりを取り戻せる
在宅介護が長期化すると、ご家族自身の生活や人間関係が制限されてしまうこともあります。デイサービスを利用することで、友人との交流や趣味など、「自分の時間」を取り戻すきっかけになる場合も少なくありません。
また、心と体にゆとりが生まれることで、より良いかたちで介護と向き合えるようになることも多いです。
どんな人がデイサービスを利用できる?
デイサービスは、原則として介護保険制度における「要介護」または「要支援」の認定を受けた方が対象となります。
◯利用対象となる方
- 65歳以上で、介護が必要と認定された方
- 40歳〜64歳の方で、「特定疾病」により介護が必要とされた方(例:がん末期、関節リウマチ、初老期の認知症など)
これらに該当し、「要支援1・2」または「要介護1〜5」の認定を受けていれば、原則としてデイサービスの利用が可能です。
◯利用開始までの流れ
介護保険サービスを利用するには、まずお住まいの市区町村へ要介護(要支援)認定の申請を行う必要があります。申請は、市町村の窓口や地域包括支援センターで行えます。
介護保険の申請については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→「 初めての介護保険申請ガイド:手続きから利用開始までの流れ 」
デイサービスの種類と選び方
デイサービスには、さまざまな種類があり、特徴やサービス内容が異なります。ご本人やご家族のご希望や状況に合った施設を選ぶことが大切です。
一般的なデイサービス
「一般的なデイサービス」は、日常生活の支援と体操などによる心身機能の維持をバランスよく提供する、最もスタンダードなタイプです。
主なサービス内容は以下の通りです。
- 食事や入浴などの日常生活の介助
- 看護師による健康チェック
- 機能訓練(体操や個別リハビリなど)
- レクリエーション活動や季節行事
スタッフ配置や活動内容などは、施設によって異なります。気になる点があれば、事前に施設へ確認しておくことをお勧めします。
リハビリ特化型デイサービス
リハビリ特化型のデイサービスは、身体機能の維持・向上を目的に、機能訓練に重点を置いた施設です。「もう少し歩けるようになりたい」「家の中での動作を楽にしたい」といった希望を持つ方に適しています。
リハビリ特化型のデイサービスの特徴は、以下の通りです。
- 理学療法士(PT)や作業療法士(OT)など専門職によるリハビリ
- 歩行訓練や筋力トレーニングなど目的に合わせたプログラム
- バランス訓練、関節可動域の維持など身体機能へのアプローチ
半日型(3〜4時間程度)の施設も多いのが特徴です。一方で、入浴や食事の提供がない場合もあるため、生活支援よりも機能訓練を重視したい方向けと言えるでしょう。
「元気なうちから利用したい」「退院後で体力回復を目指したい」など、目的がはっきりしている場合には、リハビリ特化型のデイサービスが選ばれるケースが多いです。
認知症対応型通所介護
認知症対応型通所介護は、認知症の診断を受けた方を対象にした、少人数制のデイサービスです。グループデイと呼ばれることもあります。
認知症の方が、安心できる環境づくりがされており、ゆったりとした雰囲気の中で、一人一人のペースに合わせた支援が行われます。
主な特徴は、以下の通りです。
- 利用定員は12名で、職員の目が届きやすい
- 少人数であり、なじみの関係を築きやすい
- 認知症ケアの経験を積んだスタッフが多い
地域密着型サービスの位置付けであり、原則としてお住まいの市区町村内の事業所を利用する仕組みになっています。
お泊まりデイサービス
「お泊まりデイサービス」とは、日中のデイサービス利用に加えて、夜間の宿泊サービスを提供している施設のことを指します。この宿泊部分は介護保険の適用外となり、「宿泊サービス」として全額自己負担で利用する形になります。宿泊料金は施設によって異なりますが、1泊あたり数千円〜1万円程度が目安です。
また、このサービスを提供している施設自体が少なく、地域によっては実施していない場合もあります。利用を希望される際は、あらかじめケアマネジャーに相談しておくと安心です。
介護施設の種類については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→「 一覧表ですぐに分かる!介護施設の種類と特徴について解説 」
医療的ケアが必要な場合
高齢になると、持病の管理や医療的な処置が必要になる方もおられます。そうした場合でも、看護師が常駐し、医療的なケアに対応しているデイサービスがあります。
具体的には、以下のようなケアです。
- インスリン注射や血糖測定
- 経管栄養(胃ろう・経鼻栄養)
- 吸引(喀痰吸引)
- 褥瘡(床ずれ)の処置 など
ただし、対応できる医療的ケアの範囲は、施設によって異なります。「看護師がいる施設」であっても、できること・できないことがあるため、ケアマネジャーと事前に相談しておくことが大切です。
選ぶときに押さえておきたいポイント
多くのデイサービスの中から、ご本人の状態やご家族の希望に合った施設を選ぶためには、いくつかのポイントがあります。ここでは、デイサービス選びで押さえておきたい4つのポイントをご紹介します。
利用目的を明確にする
デイサービスを選ぶ際には「何を目的に利用するか」をはっきりさせておくとスムーズです。
例えば、以下のような目的があります。
- 身体機能の維持をしたい
- 人と交流したい
- 自宅では入浴できないのでサポートを受けたい
どのような目的で利用したいのかによって、適したデイサービスの種類は変わってきます。
目的をはっきりさせておくことで、施設選びの軸がブレず、「思っていた内容と違った」といったミスマッチも防ぎやすくなります。
ケアマネジャーに相談する
デイサービス選びで心強い味方になってくれるのが、担当ケアマネジャーです。地域の施設について、パンフレットだけでは分からない雰囲気や特徴、「今、空いているか」などの情報も理解しています。
ご本人の身体的な状況や「こんな風に過ごしてほしい」というご家族の願いを理解した上で、デイサービスを提案してくれるのです。
「どこに相談したらいいんだろう…」と悩む前に、まずはケアマネジャーに話を聞いてもらいましょう。
実際に見学・体験利用してみる
施設のパンフレットやホームページだけでは、実際の雰囲気や利用者の表情まで把握するのは難しいものです。できれば、事前に見学や体験利用を行いましょう。
その際に確認したいポイントは以下の通りです。
- スタッフの言葉遣いや利用者への接し方はどうか?
- 利用者は、リラックスして楽しそうに過ごしているか?
- 希望や興味に合ったプログラムはあるか?
ご本人が「ここなら安心して通えそう」「楽しそう」と感じられることは、施設選びにおいてとても大切なポイントです。デイサービスを継続して利用できるかどうかにも深く関わってきます。
気になる点は事前に確認しておく
「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないために、基本的なサービス内容に加えて、細かな点まで事前に確認しておくことが大切です。
施設に確認しておきたいポイントとして、以下のようなものがあります。
- 食事の好みやアレルギーなど、要望に対応してもらえるか
- 入浴のタイミングや方法について、本人の希望は聞いてもらえるか
- 医療的なケア(例えば、インスリン注射や痰の吸引など)が必要になった場合、どの範囲まで対応してもらえるか
- 送迎は何時頃に来てくれるのか、時間帯の目安
こうした点をあらかじめ把握しておくことで「聞いていなかった」「思っていたのと違う」などの行き違いを防げます。
デイサービス利用にかかる費用
結論からお伝えすると、1日型のデイサービスを1回利用する場合、自己負担額はおおよそ1,000〜2,000円程度が目安です。費用は、介護保険が適用される部分と、全額自己負担となる部分に分かれており、利用内容や施設によって異なります。
介護保険の適用について
デイサービスは、介護保険の対象となるサービスです。基本的な利用料のうち、自己負担は原則1割となっており、収入に応じて2割または3割となる場合もあります。
費用は、主に以下の要素で変動します。
- 要介護度(要支援度)
- 利用時間(例:3〜4時間、6〜7時間など)
- 施設の種類や規模(少人数であれば、費用は高い傾向)
- 加算(機能訓練、入浴介助など、内容によって上乗せされる)
以下は、通常規模のデイサービスにおける介護報酬です。この金額に、加算などが上乗せされます。
| 利用時間 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 3~4時間未満 | 370円 | 423円 | 479円 | 533円 | 588円 |
| 4~5時間未満 | 388円 | 444円 | 502円 | 560円 | 617円 |
| 5~6時間未満 | 570円 | 673円 | 777円 | 880円 | 984円 |
| 6~7時間未満 | 584円 | 689円 | 796円 | 901円 | 1,008円 |
| 7~8時間未満 | 658円 | 777円 | 900円 | 1,023円 | 1,148円 |
| 8~9時間未満 | 669円 | 791円 | 915円 | 1,041円 | 1,168円 |
※表に記載されている金額は、介護保険の自己負担割合が1割の場合のものです。
自己負担割合が2割の場合は表の金額の2倍、3割の場合は3倍が、介護保険サービス費の自己負担額の目安となります。
【参考】厚生労働省「 介護報酬の算定構造 」(P.5)
また、送迎サービスは、基本的には介護保険の給付対象に含まれています。利用しない場合には、送迎費用が割引されることもあります。
介護保険の対象外となる費用
以下の費用は介護保険の対象外であり、全額自己負担となります。
- 昼食代・おやつ代(施設によって500〜800円前後)
- レクリエーションやクラフト材料などの実費
- おむつ代や日用品(ご家庭からの持参が必要な場合もあります)
- お泊まりデイサービスの宿泊費
以上の金額は施設ごとに異なるため、利用前に詳細を確認しておくことをお勧めします。
まとめ:デイサービスで介護負担を軽減するために
在宅介護は、ご家族にとって大きな負担となることも少なくありません。デイサービスは、ご本人の暮らしを支え、ご家族の介護負担を和らげるための支援です。
この記事では、デイサービスの概要から選び方、費用の目安について紹介しました。あらためて、重要な点を以下にまとめます。
- デイサービスは日帰りで、さまざまな支援を受けられる
- ご家族の負担軽減(レスパイトケア)にもつながる
- 利用対象者は、要介護・要支援認定を受けた方
- 一般型、リハビリ特化型、認知症対応型など、目的に応じた種類がある
- 医療的ケアに対応できる施設もあるが、事前の確認が必要
- 選ぶ際は、目的を明確にし、ケアマネジャーへの相談と見学が大切
- 利用費用は、1回あたり1,000〜2,000円程度が目安
デイサービスは、住み慣れた自宅で、その人らしい暮らしを続けるためのサポートです。
「うちの場合はどうだろう…」と迷う前に、まずは地域包括支援センターや担当ケアマネジャーへ、気軽に相談してみてください。きっと、ご本人やご家族の状況に寄り添いながら、最適な方法を一緒に考えてくれるはずです。
この記事が、ご家族の介護負担を少しでも軽くするためのきっかけになれば幸いです。
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