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介護についての基礎知識
2024.12.12

介護保険制度とは?仕組みと利用の流れをわかりやすく解説

介護保険制度とは?仕組みと利用の流れをわかりやすく解説

「介護保険ってどう使えばいいのだろう?」
「制度をわかりやすく説明してほしい」

と感じている方も多いと思います。

介護保険は、介護が必要な方の生活を支える重要な制度です。しかし、その仕組みや利用方法は複雑でわかりづらいものです。

この記事では、介護保険制度の目的や対象者、具体的なサービス内容、申請方法について、わかりやすく解説します。介護保険をしっかりと理解し、必要なときに安心して利用できるよう、ぜひ最後までお読みください。

介護保険制度の目的と基本的な仕組み

介護保険制度は、介護が必要な方々が安心して暮らせる社会を実現するために、2000年に導入されました。この制度は、高齢者や家族を支え、介護の負担を社会全体で分かち合うことを目的としています。

具体的には、次の3つの目的に基づいて構築されています。

  • 高齢者が自立して生活を維持できるようにする
  • 家族の介護負担を軽減し、社会的な支援を提供する
  • 社会全体で介護を支える体制を整備する

介護保険制度には、40歳以上の方が加入し、保険料を負担しています。介護が必要になった際に要介護認定を受けると、介護サービスが利用でき、経済的な負担を抑えながら支援を受けられる仕組みです。利用者は原則としてサービス費用の1〜3割を自己負担し、残りの費用は保険から給付されます。

さらに、介護保険制度は、高齢者が尊厳を保ちながら生活できる環境を整えることを目指しており、社会全体で高齢者を支える体制が構築されています。こうした支援により、高齢者とご家族が安心して生活できる環境が整えられているのです。

介護保険サービスを受けられる対象者と要件について

ここでは、介護保険サービスの対象者と要件について紹介します。

第1号被保険者と第2号被保険者

介護保険制度では、保険料を支払い、サービスを利用するための資格を持つ被保険者が2種類に分類されています。それが「第1号被保険者」と「第2号被保険者」です。それぞれの違いについて、以下の表にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

  第1号被保険者 第2号被保険者

対象年齢

65歳以上

40歳から64歳までの医療保険加入者

サービス利用条件

「要支援」「要介護」に該当すれば、原因を問わず利用できる

要介護状態の原因が特定疾病である場合のみ利用できる※

保険料の設定方法

市町村ごとに所得に応じて設定    

医療保険料と同様の算定方法に基づく    

保険料の支払い方法

年金額が年18万円以上の方は年金から天引き、それ以外は納付書で支払い

医療保険料と一緒に支払う。健康保険組合加入の場合、事業主と折半。

※次章で詳しく解説します

介護保険で対象となる疾病(特定疾病)

介護保険制度では、「特定疾病」に該当する方に限り、40歳以上65歳未満でも介護保険サービスを利用できるように定められています。

特定疾病とは、加齢に伴い発症する可能性が高い病気で、厚生労働省が指定した以下の16種類が該当します。

  • がん(回復の見込みがないと医師が判断した場合)
  • 関節リウマチ
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 後縦靱帯骨化症
  • 骨折を伴う骨粗しょう症
  • 初老期における認知症
  • 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病
  • 脊髄小脳変性症
  • 脊柱管狭窄症
  • 早老症
  • 多系統萎縮症
  • 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症
  • 脳血管疾患(脳梗塞や脳出血など)
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

これらの疾病は、日常生活に支障をきたすリスクが高いため、介護保険の対象とされています。特定疾病による要介護状態と診断された第2号被保険者は、医師の判断を受けて介護保険サービスの利用が可能になります。

また、特定疾病に該当しない場合には、たとえ心身の不調があっても介護保険の利用はできません。

介護保険の申請方法と手続きの流れ

介護保険を利用するには、まず「要介護認定」を受ける必要があります。以下に、介護保険の申請からサービス利用までのステップを簡潔に説明します。

ステップ1 申請準備と必要書類

最初に、市区町村の介護保険窓口で「要介護認定申請書」を提出します。準備する書類は、介護保険被保険者証(65歳以上)や健康保険証(40〜64歳)、マイナンバー確認書類、主治医情報などです。地域包括支援センターでも手続きのサポートが受けられます。

ステップ2 認定調査と主治医意見書

申請が受理されると、市区町村の職員やケアマネジャーが、ご自宅を訪問し生活状況を調査します。主治医に意見書作成を依頼し、申請者の健康状態が審査されます。

ステップ3 審査・判定と結果通知

調査結果と主治医の意見書を基に一次・二次判定が行われ、要介護度が決定します。原則、申請から30日以内に市区町村から結果が通知されます。

ステップ4 ケアプラン作成とサービス開始

要介護度が確定したら、ケアマネジャーを選びます。ケアマネジャーと共にケアプランを作成し、サービス利用が開始されます。

介護保険で受けられるサービスの種類

ここでは、介護保険サービスについて、在宅介護サービスと施設介護サービスに分けて紹介いたします。

在宅で受ける介護サービス

在宅介護サービスの目的は、利用者ができる限り自宅での暮らしを続けられるように支援し、ご家族の負担を軽くすることです。ここでは、代表的なサービスをご紹介します。

サービス名 内容

訪問介護(ホームヘルパー)

ヘルパーが自宅を訪問し、食事や入浴、排泄の介助、掃除や買い物などの日常生活の支援を行う。

訪問看護

看護師が自宅を訪問し、医師の指示に基づいて健康状態の確認、医療処置、リハビリ支援などを実施する。

訪問入浴介護

移動式浴槽を持ち込み、自宅での入浴をサポート。入浴が困難な方や家族のサポートが難しい場合に適している。

通所介護(デイサービス)

日中に施設へ通い、入浴、食事、リハビリ、レクリエーションなどを受け、交流や機能訓練ができる。

短期入所生活介護(ショートステイ)

施設に短期間宿泊し、生活支援や機能訓練を受ける。介護者の休養や緊急時に利用する。

福祉用具のレンタル

車いすや介護ベッドなどの福祉用具をレンタルして利用。自宅での介護をサポートするための用具を提供。

小規模多機能型居宅介護

「デイサービス」を中心に、「ヘルパー」や「ショートステイ」を組み合わせて提供する柔軟なサービス。

介護施設で受けるサービス

自宅での生活が困難な方が、介護施設に入所して受けられるサービスです。主に以下のような施設があります。

施設名 対象者 主なサービス内容 特徴

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)

原則は要介護3以上。常時介護が必要で在宅生活が困難な方。

食事、入浴、排泄のサポート、機能訓練、療養支援

長期入所が前提で、24時間介護体制が整備

介護老人保健施設

要介護1〜5の方で、病状が安定し、自宅復帰を目指す方

リハビリテーション、医療支援、生活支援

自宅復帰に向けた機能訓練と医療ケアが中心

介護医療院

長期的に医療と介護が必要な方

医療ケア、生活支援

医療機能と生活施設の両方を兼ね備えた新しい施設

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

要支援2または要介護1〜5であり、認知症と診断された方

日常生活支援(食事、入浴、排泄)、機能訓練

認知症ケアに特化した家庭的な環境

介護付有料老人ホーム

概ね60歳以上の方

 

24時間介護、食事、入浴、排泄介助、レクリエーション、機能訓練

レクリエーションやサークル活動が充実しており、入居者が楽しく過ごせる工夫がされてる。特徴はバラエティに富んでいる。

住宅型有料老人ホーム

概ね60歳以上の方

生活支援サービス(食事、掃除、見守りなど)、外部介護サービス利用可能

生活支援を柔軟に組み合わせることが可能。介護が必要な場合は外部サービスを併用する。

介護保険サービス利用時の注意点

ここでは、介護保険サービス利用時の注意点について紹介します。

1か月あたりのサービス利用上限がある

介護保険サービスでは、要介護度に応じて1か月に利用できるサービスの上限額(区分支給限度額)が設けられています。利用上限を超えてサービスを利用した際の超過分は全額自己負担となるため、必要な支援を計画的に選ぶことが重要です。

また、福祉用具の購入費や住宅改修費など一部のサービスは上限額の対象外であるため、上限を気にせず利用できます。計画を立てる際にはケアマネジャーと相談し、上限額を調整してもらいましょう。

収入により自己負担額が変動する

介護保険サービスの自己負担額は、利用者の収入に応じて1〜3割と異なり、収入水準によって決まる仕組みです。一般的には1割負担が適用されますが、一定以上の収入がある場合には、2割または3割の負担となります。この負担割合は毎年見直され、市区町村から通知が届きます。

また、負担額が過度にならないよう、月々の自己負担額に上限を設ける制度が「高額介護サービス費制度」です。

まとめ

介護保険制度は、介護が必要な高齢者が安心して生活を続けられるよう、社会全体で支える仕組みです。この制度により、介護の負担を家族だけで抱えるのではなく、社会全体で分かち合う体制が整えられています。

介護保険サービスを利用するには「要介護認定」を受ける必要があり、認定後にケアマネジャーと一緒にケアプランを作成します。介護保険を適切に活用して必要な支援を受けることで、高齢者や家族がより安心して暮らせるのです。

この記事の監修者
北村 昌枝
介護支援専門員

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