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脳卒中の介護で悩まない!認定の流れや利用できるサービスを解説
「脳卒中になった家族の介護は、どうすればいいの?」「介護保険サービスは使えるのだろうか?」
そんな疑問や不安をお持ちではありませんか?
脳卒中後は、介護が必要になることもあります。そうなれば、ご本人だけでなくご家族の生活も大きく変わります。しかし、正しい知識を持ち周囲のサポートを受ければ、穏やかな生活を送ることも可能です。
この記事を読めば、脳卒中についての基礎知識や介護認定の流れ、ご自宅で介護をする際のポイントを理解できます。ぜひ、最後までお読みください。
脳卒中とは? 脳梗塞・脳出血・くも膜下出血について
脳卒中とは、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、急に脳や身体の働きが悪くなる病気です。脳卒中には、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3つがあります。ここでは、それぞれの種類と症状について詳しく解説します。
脳梗塞:脳の血管が詰まる
脳梗塞は、脳の血管が詰まることで、その先の脳細胞に酸素や栄養が届かなくなる病気です。発症から数時間以内に治療を開始できれば、後遺症を最小限に抑えられる可能性があります。
ここでは、脳梗塞について以下の2種類を解説します。
- 脳血栓症: 脳の動脈が動脈硬化などによって狭くなり、そこに血栓(血液の塊)が詰まることで発生します。
- 脳塞栓症: 心臓や太い血管でできた血栓が、血流に乗って脳の血管まで流れ、詰まることで発生します。
体の片側が麻痺するなどの症状が突然起こります。介護が必要になるかどうかは、脳梗塞の程度や、どの部分の脳細胞がダメージを受けたかによって異なります。
【参考】国立循環器病研究センター「 脳卒中について 」
脳出血:脳の血管が破れる
脳出血は、脳の血管が破れて、脳内に出血してしまう病気です。脳出血が起こると、出血した血液により、脳はダメージを受けてしまいます。ダメージを受けた脳細胞は、完全に元通りになることはありません。
主な原因は、高血圧です。高い血圧が続くことで、脳の血管がもろくなり、破れやすくなってしまいます。症状は、頭痛、嘔吐、麻痺する、言葉がうまく話せなくなる、などです。
出血の場所や量によっては、命に関わることもあります。助かったとしても、麻痺や言語障害などの後遺症が残り、日常生活で介護が必要になる可能性が高いです。
【参考】筑波大学附属病院 茨城県脳卒中・心臓病等総合支援センター「 脳出血とは 」
くも膜下出血:動脈瘤の破裂によって生じる
脳は3つの膜で守られています。外側から順に、硬膜、くも膜、軟膜と呼ばれています。くも膜下出血は、くも膜と軟膜の間の「くも膜下腔」と呼ばれるすき間で起こる出血です。
主な原因は、脳動脈の一部がコブのように膨らんでできた「動脈瘤(どうみゃくりゅう)」が破裂することです。「バットで殴られたような」と表現されることもあるほどの激しい痛みを感じます。
くも膜下出血は、脳卒中の中でも特に危険な状態で、他の脳卒中と比べて死亡率が高いことが知られています。社会復帰できるのは、3割に満たないとも言われている病気です。
【参考】京都大学医学部附属病院 脳神経外科「 くも膜下出血 」
脳卒中発症後の生活はどう変わる?家族が知っておきたいこと
ここでは、ご家族が知っておきたい、脳卒中発症後の生活の変化について解説します。
日常生活の支援が必要になる
脳卒中を発症すると、コミュニケーションや精神面、日常生活において支援が必要になることがあります。例えば、言語機能への影響から意思疎通が難しくなったり、精神的なストレスから落ち込みやすくなることがあります。
また、食事や着替え、入浴など、今まで自力でできていたことが困難になることも少なくありません。ご家族は、ご本人のペースに合わせたコミュニケーションを心がけ、精神的な不安に寄り添い、できる範囲で外出などに誘うことが大切です。積極的に介護保険サービスの利用を検討しましょう。
リハビリテーションが有効
リハビリテーションを受けることで、麻痺した手足の運動機能や、「言葉を話す」「理解する」などの言語機能の改善が期待できます。専門スタッフが個別のプログラムを作成し、状態に合わせた訓練を行います。
リハビリテーションの主な内容は、以下のとおりです。
- 理学療法: 運動機能の回復を目指し、筋力トレーニングや歩行訓練などを行う
- 作業療法: 食事や着替え、入浴など、日常生活に必要な動作の練習を行う
- 言語聴覚療法: 言葉の理解や発声、食べ物を飲み込む訓練などを行う
退院後も、ご自宅や施設でのリハビリテーションが必要な場合もあります。ご本人の努力はもちろん、ご家族や周囲の方々のサポートが必要です。
脳卒中の介護認定とは?:申請から認定まで約1ヶ月程度かかる
脳卒中を発症すると、介護が必要になる場合も珍しくありません。「介護認定」を受けることで、介護保険サービスを利用できます。ここでは、介護認定の概要と必要な手続きについて解説します。
介護認定について
介護認定とは、介護保険サービスを利用するために必要な手続きです。お住まいの市区町村に申請し、「要介護認定」を受ける必要があります。
「どのくらいの介護が必要か」の度合いを示すのが、「要介護度」です。要介護度は、要支援1・2、要介護1〜5の段階に分かれており、要介護度によって利用できるサービスの種類や上限額が異なります。
介護認定を受けるための手続きと流れ
介護認定を受けるためには、市区町村の窓口(高齢者福祉課など)や地域包括支援センターへの申請が必要です。
申請から認定までの流れは、以下の通りです。
- 申請: 申請書を提出します。
- 認定調査: 調査員が自宅などを訪問し、心身の状態や生活状況について聞き取り調査を行います。
- 一次判定: 認定調査の結果と、主治医の意見書をもとに、コンピューターで一次判定が行われます。
- 二次判定: 一次判定の結果と主治医の意見書をもとに、介護認定審査会で審査が行われ、要介護度が決定されます。
- 認定: 申請から約1ヶ月程度で、認定結果が通知されます。
※介護認定の詳細な手続きや流れについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
→「 初めての介護保険申請ガイド:手続きから利用開始までの流れ 」
介護保険サービスの内容について
介護保険サービスは、介護が必要な方の生活をサポートするためのものです。ご自宅で受けられるサービスと施設で受けられるサービスがあります。
①ご自宅で受けられる介護保険サービス
ご自宅で受けられる介護保険サービスは、住み慣れた家で生活を続けながら、必要な介護や支援を受けられるサービスです。主には、以下のようなものがあります。
- 訪問介護(ホームヘルプサービス): ホームヘルパーが訪問し、食事、入浴、排泄などの身体介護や、掃除、洗濯、調理などの生活援助を行います。
- 訪問看護: 看護師が訪問し、病状の観察や床ずれの処置など、医療的なケアを行います。
- 訪問リハビリテーション: 理学療法士や作業療法士などが訪問し、機能訓練や日常生活動作の練習など、リハビリテーションを行います。
- 通所介護(デイサービス): 日中、施設に通い、食事、入浴、レクリエーション、機能訓練などを受けます。他の利用者との交流もできます。
- 短期入所生活介護(ショートステイ): 数日~数週間程度、施設に宿泊し、介護や機能訓練などを受けます。ご家族が休養したい時などにも利用可能です。
ご自宅で受けられる介護保険サービスについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
→「 介護保険制度とは?仕組みと利用の流れをわかりやすく解説 」
②施設で受けられるサービス
ご自宅での生活が難しい場合には、施設に入居して、介護や医療ケアを受けられます。24時間体制で見守りやケアが提供されるため、脳卒中による後遺症をお持ちの場合でも安心です。
主な施設の種類としては、以下のようなものがあります。
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム): ご自宅での生活が困難な方が入所し、日常生活の介護を受けます。
- 介護老人保健施設(老健): 病院での治療後、ご自宅へ戻るためのリハビリテーションや介護が必要な方が入所します。
- 介護医療院: 長期にわたる医療と介護が必要な方が入所し、医療ケアと日常生活の介護を受けます。
- 介護付き有料老人ホーム: 介護を必要とする方が入居し、介護サービスや生活支援を受けて生活します。設備やサービスが充実していることが多いです。
介護施設では、様々なサービスを受けられます。ご本人の心身の状態やご家族の状況などを考慮し、最適な施設を選びましょう。
なお、老人ホームの選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→「 老人ホームの選び方と費用・特徴をわかりやすく解説!事例も紹介 」
脳卒中後の自宅介護について:ご家族のための3つのポイント
脳卒中の後遺症により、言葉が出にくくなったり、麻痺の症状が残ったりすることも考えられます。ここでは、脳卒中後の自宅介護において、ご家族が意識したい3つのポイントをご紹介します。
コミュニケーションを工夫する
脳卒中の後遺症によって、言葉でのコミュニケーションが難しくなることがあります。話す時は、複雑な表現を避け、短い文章で明確に伝えましょう。言葉だけでなく、ジェスチャーや表情も活用することで、コミュニケーションが深まります。
返事を焦らず待ち、じっくりと向き合うことを心がけましょう。特に、言語障害がある方には、絵や写真、筆談を用いた視覚的なサポートも効果的です。
転倒を予防するために歩行介助を行う
脳卒中によって、体の片側に麻痺が残ると、バランスを崩しやすく、転倒のリスクが高まります。転倒は、骨折などの大怪我につながることもあるため注意が必要です。
ご本人が安全に移動できるよう、腕を支えたり、手を引いたりして、安定して歩けるようにサポートしましょう。また、理学療法士などのリハビリテーション専門家と連携し、機能訓練を行うことも大切です。
手すりなどの環境を整備する
脳卒中後の自宅介護では、住環境の整備も重要です。ご本人が安全に生活できる環境を整えましょう。
- 手すりの設置: トイレ、浴室、玄関、廊下、階段など、立ち座りや移動が多い場所、特に転倒しやすい場所に手すりを設置しましょう。
- 障害物をとりのぞく: 通路に障害物がないか確認し、家具の配置を見直してスペースを広く確保します。
- 段差の解消: 段差がある場所にはスロープを設置するのも有効です。
- 明るさの調整: 足元が暗いと転倒の原因になります。夜間はライトを設置するのがよいでしょう。
- 床材の変更:滑りやすい床材は、滑りにくいものに変更します。
これらの環境整備に加えて、必要に応じて杖や歩行器などの福祉用具の使用も検討しましょう。その際には、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談されることをお勧めします。
介護の相談先については、こちらの記事で解説しています。
→「 介護負担を軽くしたい!知っておきたい知識と4つの対処法を解説! 」
まとめ
本記事では、脳卒中の種類や症状、ご自宅での介護のポイントについて解説しました。
脳卒中は、麻痺などの後遺症が残る場合があり、介護が必要となることも少なくありません。脳卒中後の介護は、ご本人にとってもご家族にとっても大きな負担となりますが、正しい知識と周囲のサポートがあれば、より穏やかな生活を送れます。
介護保険サービスを積極的に活用し、経済的な負担を軽減しながら、必要なサポートを受けましょう。また、自宅での介護が難しい場合には、施設入所を検討するのも選択肢の一つです。
この記事を参考に、脳卒中後の介護について理解を深めていただければ幸いです。
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