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要介護につながる病気と症状
2025.07.25

高齢者のフレイルとは?原因・症状から対策までを解説

高齢者のフレイルとは?原因・症状から対策までを解説

「最近、親の体力低下が気になる…」「食べる量も減っている気がする…」

そんな心配をされている方もおられるかもしれません。もしかしたら、その症状は「フレイル」の可能性があります。

フレイルとは、加齢により心身が衰え、健康な状態と要介護状態の中間にある状態のことです。しかし、早期に対応することで、健康な状態に戻ることも期待できます。

この記事では、高齢者のフレイルについて、症状や原因、チェック方法、具体的な予防・改善策まで、詳しく解説していきます。大切なご家族に元気で過ごしていただくために、ぜひお読みください。

高齢者のフレイルとは?早期の対応が大切

フレイルとは、加齢に伴い体力や気力、認知機能などが低下し「健康な状態」と「要介護状態」の中間に位置する状態を指します。

「疲れやすい」「食欲がない」「外出の回数が減る」といった変化は、フレイルのサインかもしれません。しかし、フレイルは早期に発見し、適切に対応することで、健康な状態に戻れる可能性があります。ここでは、フレイルの定義や、なぜ早期の対応が大切なのかを解説していきます。

高齢になるほどフレイルになりやすい傾向

東京都の発表によると、65歳以上の高齢者の20~25%がフレイルに該当していると報告されています。

なぜ、高齢になるとフレイルになりやすいのでしょうか?

主な理由は、加齢に伴う身体の変化です。年齢を重ねると、筋肉量や筋力が低下し、様々な病気にかかりやすくなります。また、活動量の低下も、フレイルを進行させる要因となります。高齢期を迎えたら、フレイルは決して他人事ではないのです。

【参考】東京都福祉局「 フレイルって何歳くらいでなるの?

早期に対応できれば改善が期待できる

フレイルは、「虚弱」や「老衰」と訳されることもあります。しかし、日本老年医学会は、早期発見し対応することで改善が可能であるという意味を込めて、「フレイル」という言葉を採用しました。

バランスの取れた食事、適度な運動、社会参加などを積極的に行うことで、身体機能や認知機能の維持・向上が期待できます。

放置すると要介護状態に進んでしまうリスクがありますが、早期の適切な対応により健康な状態に戻れる可能性は十分にあるのです。

【参考】公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「 フレイルとは

フレイルとサルコペニアの違い

フレイルは「心身全体の生活機能が低下している状態」です。一方、サルコペニアは「筋力が衰えている状態」を意味します。

サルコペニアは、加齢に伴い筋肉が減少し、握力や歩行速度などの身体機能が低下していくのが特徴です。サルコペニアが原因となり、フレイルを引き起こすことがあります。

【参考】公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「 フレイルとは

高齢者がフレイルになる主な原因は3つ

フレイルになる原因として「身体的要因」「精神・心理的要因」「社会的要因」の3つが挙げられます。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

身体的要因

身体的要因とは、加齢に伴う体の変化によって、フレイルが引き起こされることです。主な要因としては、筋力低下、栄養不足、慢性疾患の3つが挙げられます。

加齢により筋肉量や筋力が低下すると、体を動かすことが少なくなりがちです。また、食欲の低下により、十分な栄養が摂取できず、体力や免疫力が低下することも珍しくありません。心臓病、糖尿病、高血圧などの慢性疾患は、さらにフレイルを悪化させる可能性があります。

精神・心理的要因

精神・心理的要因も、フレイルの発症に大きく影響します。気分が落ち込み、意欲が低下するうつ状態は、活動量の減少を招き、フレイルを進行させます。

認知症などにより、判断力や記憶力が低下する認知機能の低下も、日常生活に支障をきたし、フレイルのリスクを高めるのです。

社会的要因

定年退職や家族との離別などにより、人との関わりが少なくなり、社会的に孤立すると、フレイルのリスクが高まります。また、経済的な理由で、必要な栄養が摂れなかったり、適切な医療サービスを受けられなかったりすることも、フレイルを悪化させる要因です。

地域活動への参加、友人との交流、ボランティア活動など、社会とのつながりを積極的に持つことが、フレイル予防につながります。

フレイルかどうかをチェックする方法

ここでは、フレイルの状態にあるかどうかをチェックするための「フレイルの評価基準」と「健康で過ごすためのチェックリスト」について紹介します。

フレイルの評価基準

フレイルの評価基準は、以下の5項目です。

1. 体重減少 6か月で2kg以上の(意図しない)体重減少がありましたか。
2. 握力の低下 男性:28kg以下、女性:18kg以下
3. 疲労感 ここ2週間で、わけもなく疲れたような感じがする
4. 歩行速度 通常歩行速度 :1.0m/秒以下
5. 活動量 ①軽い運動・体操を週に1回以上していますか。
②定期的な運動・スポーツを週に1回以上していますか。
①②のどちらも「していない」場合

 

※該当する数により、以下のように判断されます。

  • 3つ以上該当する:「フレイル」
  • 1〜2つ該当する:「プレフレイル」(フレイルの一歩手前の状態)
  • 1つも該当しない:「ロバスト」(健康で元気な状態)

【出典】公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「 フレイルの診断

健康で過ごすためのチェックリスト

以下は、厚生労働省が作成した15項目のチェックリストです。すべて左側の回答になるように、定期的にチェックしましょう。

【出典】厚生労働省「 食べて元気にフレイル予防

高齢者のフレイルを予防・改善する5つの方法

フレイルは、日々の生活習慣を少し見直すことで、予防や改善が期待できます。ここでは、フレイルを予防し、健康寿命を延ばすために実践したい5つの方法をご紹介します。

栄養バランスのとれた食事をする

フレイルの予防・改善には、栄養バランスのとれた食事が欠かせません。特に、筋肉を作るもとになるたんぱく質をしっかり摂ることが重要です。

肉、魚、卵、大豆製品などを積極的に食べるようにしましょう。野菜、果物、海藻などをバランス良く食べることも大切です。1日3食、規則正しい食生活を心がけましょう。

また、東京都健康長寿医療センター研究所は、以下の10品目の食材のうち、7点以上を目指すことを推奨しています。

【参考】東京都健康長寿医療センター研究所「 いろいろ食べポ

定期的に運動する

フレイル予防・改善には、定期的な運動が欠かせません。心拍数を上げ、全身の血行を良くするウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、心肺機能の向上に効果的です。

また、筋肉量や筋力を維持・向上させる筋力トレーニングも重要です。スクワットや椅子からの立ち上がり運動など、自宅でできる簡単なトレーニングから始めてみましょう。転倒予防にもつながります。

無理のない範囲で継続することが大切です。「1日10分だけ歩く」「週に2回、筋トレをする」など、自分に合った目標を設定し、毎日少しずつでも体を動かす習慣を身につけましょう。

持病のある方は、運動を始める前に必ず医師に相談し、適切な運動量や運動の種類についてアドバイスを受けることをお勧めします。

社会とのつながりを大切にする

社会とのつながりを保つことも大切です。家族や友人との交流、地域活動・趣味サークルへの参加など、積極的に社会と関わる機会を持ちましょう。

人との交流は、心身の健康を保つ上で重要です。孤立を防ぎ、生きがいや役割を持つことが、フレイルの予防・改善につながります。

持病をコントロールする

高血圧や糖尿病、心臓病などの持病は、フレイルを悪化させる要因となります。かかりつけ医を定期的に受診し、体の状態をチェックしましょう。医師から処方された薬は、指示通りにきちんと服用することが大切です。

また、医師や栄養士の指導のもと、生活習慣の改善に取り組みましょう。持病を適切にコントロールすることで、フレイルの進行を遅らせ、健康な状態を維持できます。

口腔機能を維持する

口腔機能(食べ物を噛んだり飲み込んだりする機能)の低下は、栄養不足や誤嚥性肺炎の原因となり、フレイルを悪化させます。そのため、口腔機能を維持することが重要です。

日々のケアとしては、毎日の歯磨きや、定期的に歯科検診を受け、口の中を清潔に保つことを心がけましょう。さらに、食事の際には、食べ物をよく噛んでゆっくりと飲み込むように意識し、口腔体操を行うことも大切です。

誤嚥性肺炎や口腔体操については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→「 高齢者の誤嚥性肺炎の症状とは?原因や対応、予防法を解説

まとめ:高齢者のフレイル予防と早期発見で健康を維持しよう

高齢者のフレイルは、加齢に伴って心身の活力が低下し、健康な状態と要介護状態の中間にある状態です。しかし、フレイルは早期に発見し、適切に対応することで、健康な状態に戻れる可能性もあります。

フレイルを予防・改善するためには、バランスの取れた食事、定期的な運動、社会とのつながり、持病のコントロール、口腔ケアが重要です。これらの対策を日々の生活に取り入れ、フレイルを予防し、健康寿命を延ばしましょう。

この記事の監修者
北村 昌枝
介護支援専門員

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